ニュースの「『実質0円』詐欺」加担

投稿者: | 2020年10月23日

 新型コロナによる観光落ち込みへの振興策のニュース報道で、「実質0円」と報道しているものがある。ざっくり言うと、例えば 2万円の宿泊で、1万5千円の割引補助と、5千円のおみやげクーポンがあるから、合わせて2万円で「実質0円」だと言うのだ。しかし、正しく計算すれば、2万円の旅行と5千円のおみやげに、2万円の補助が出ているので、5千円の実費なのである。つまり「0円」どころか5千円で、ましてや「実質」でもなんでもないのである。それを「実質」「0円」と報道してしまうとは正常な報道機関とは思えない。たぶんホテルとかが「実質0円」と言っているのだろうが、これをそのまま垂れ流さないようにするのが報道と言うものではないかと思うのだが、ちゃんと仕事ができていないと言わざるを得ない。こういう間違いをしかし簡単な足し算もできない人たちが報道を仕事にして良いのだろうか?

 200円のバナナを50円でたたき売り。おまけにもう50円分おまけをつけちゃう!

このバナナを買う人がいくら払うかはすぐ分かりますよね。50円。0円では買えません。

これを「実質0円」です、って報道されたらおかしいだろって思いますよね。どんなにお得でもまったく「実質0円」ではないですよね。

 つまり、100歩譲って宿泊分の2万円が「0円」になる(おみやげ代5千円は必要)、と言うことだとしてもこれを「実質」と言ってはいけないと思う。むしろ逆で「実質」は5千円かかると言う話。「実質」と言う言葉をイメージで安易に誤用しているところがまったく許せない。正しい報道を行うために報道機関は正しく言葉を使うことを常に意識しなければならないと思う。

 報道機関の報道は単に「正しい・間違っている」だけの問題では済まないと考えている。非常に多くの人が触れる報道が間違えば、社会全体が狂い、狂って歪んだ社会では、弱っている人にさらに絶望が近くなる。もちろんすべての要因ではないが、おかしな社会になんとなく疑問と違和感を感じて逃避、離脱したくなるという面は否定できないだろう。政治が嘘と不誠実で溢れ返っている昨今、報道機関が社会の正気を保つ最後の砦とも言えるのではないだろうか。自殺者が増えているのは自分たちのせいかも知れない、と言うぐらいのことを考えて報道には携わって欲しい。

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