なんだかすでに「3度目の正直です」とか「苦節3度目」とか言って喜ぶ賛成派のイメージが浮かぶのですが。今回も反対多数となったことを「民意を受け止める」と言っている人もいますが、「次の世代に頑張ってもらいたい」などとまだ言っている人がいるのは困った話。そもそも前回の民意が受け止められていないから今回の投票になってしまっているので、また5年後にやるつもりなのかと今から危惧せざるを得ません。
ちなみに、賛成・反対が拮抗していると言うのですが、真っ二つに割れていると言う話ではないと思います。実は賛成・反対以外に棄権・無効があって、賛成は3割(67/220万人)しかないのです。反対も同じくらいしかいませんが、都構想を実施する、と言う話であればそれに対する賛意は正味の5割から少なくとも4割ぐらいは欲しい所です。逆に、反対票が賛成票を上回らないと止められないと言うこの投票の仕方はなんかおかしいような気がします。反対するために動いた方々にはご苦労様でしたとねぎらうばかりです。
大阪都構想自体は、「大阪だって本来の力を出せば東京になれる、そのためには都構想と言う魔法陣を描く必要がある」と言うような中二病めいた発想が根本にあると思います。「都構想さえあれば、本来の力が出せるのに」「大阪だって本気を出せば東京に負けない」みたいな。あるいは、「あの秘術が成功すれば本来の力が出せる」の「秘術」としての「都構想」と言う感じです。しかし、実際には都にしただけでは住民サービスを低下させてその分大型開発に回す、と言う一部の人間のたくらみを実現するだけで、市民にとって良いことはありません。市民生活が良くならなければ大阪全体は良くなりません。都構想自体はすべてを解決するような秘策でもなんでもないのです。
都構想にこだわり続けてまた 5年を失い、さらにその後市民生活を苦しめて大阪を弱体化させ続けるのか、それとも、都構想が大阪の願いを叶える秘法でもなんでもないことに気付いて実のある工夫を重ねることを選ぶのかが、問われているのではないかと思います。