福島で海洋放出しているのは、福島原発事故の放射能汚染水を「処理」したもので、通常の原発の「処理」した排出水とは違う。よって処理水と言うよりは汚染水と呼ぶべきだろう。
通常の原発の排出水は、元々それほど汚染されない仕組みで使われている冷却水を排出できるほどに放射能を取り除く「処理」を行って、つまり水をきれいにしてから排出している。
一方、汚染水の海洋放出は、事故で汚染された水をできる限り処理はするけれど、結局処理しきれないので海水で薄めて捨てようと言う考え方である。水をきれいにして排出しているのであれば何も問題はないはずで、こんなに騒ぎになることもない。
人体に影響がない、と言うが人体以外の自然に影響がないかどうかは検証できていないだろう。
また、排出期間が一時的ならまだしも、これから何十年も行うと言っている。薄めてごまかそうとした汚染が地形のどこかや生物のなんらかの種類に集中する危険がある。水俣病は肥料会社が海に流した水銀の汚染が魚に貯まり、それを食べた人間に貯まって発症した。そういうことが起きないとも限らないのに、そこには目をつむっているのである。過去の公害に学ぶべきである。