「風評被害」と言う「風評被害」

投稿者: | 2024年12月1日

 東日本大震災で原子力発電所が爆発して放射能をまき散らした結果、東北産の食べ物が放射能を敬遠して避けられましたが、これを「風評被害」と言うのはやめるべきです。

 「風評」とは世間の噂と言う意味ですが、「風評被害」の「風評」はあくまで噂で事実が明らかでないと言うことです。事実があるならば「風評」被害ではありません。放射能がばらまかれたのは噂ではなく事実です。放射能がばらまかれたことをなかったことにしようとする作意が見えます。

 放射能がばらまかれた問題についてではなく、安全が確認されているのに敬遠される、と言うことに極小化して根も葉もない「風評被害」なのだと反論する人もいるかも知れませんが、原子力発電所が爆発して放射能がばらまかれて、そのせいでたくさんの人が避難し、福島では広域が立ち入り禁止となり、終わりない除染に何兆円と言う巨額が投じられ、たくさんの人がガイガーカウンタを買い、関東などでも放射能の高い所が見つかって立ち入り禁止となって除染が行われ、汚染土のフレコンパックはどんどん積み上がり、汚染水もどんどん増えてとうとうどうにもならなくなって海に捨て始める、そんな状況には目をふさいで「安全が確認されているのに敬遠される」ことだけに視野を狭めて「風評」「被害」だとあげつらえることができるのであれば、それはもう正常な感性を失っているとしか言えないのではないでしょうか。

 「風評被害」と言っていた人は、原子力発電所が爆発して放射能をばらまいた結果、過剰反応されて避けられたことがある、と言い改めるべきです。「風評被害」では世間が根も葉もない噂を流していると言うことになります。「風評被害」と東北産の食べ物を売っている人が言うのは、客に向かって根も葉もないことを言っている嘘つきだと言っているのに等しいのではないでしょうか。

 問題の原因は原子力発電所が爆発して放射能をばらまいたことです。放射能を恐れて購入をためらう人が原因ではありません。間違った認識で間違ったことを言っていては間違った方向に進みます。今一度何が問題なのか、どう考えるのが正しいのか良く考えるべきです。

 

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