選挙は民意の引き算と割り算

投稿者: | 2022年6月23日

 テレビで「政治は民意の総和」と言っている人がいましたが、それを言うなら選挙は民意の引き算と割り算でしょう。

 例えば今度の参議院選の東京選挙区をモデルに考えれば、1200万人の有権者がいるとして、投票率がだいたい50%なので、半分の600万人を「引く」ことになる。

 さらに、残りの600万人を100万人で「割って」6人の議員が決まる。

 1200万人の民意は600万捨てられた上に、100万で割られてしまう。これで1200万人の民意は政治に反映されると言えるのか。総和と言うよりは、酷い切捨てと丸めが行われてしまう。これが選挙だと言えます。

 投票率が上がらないのも、仮に100%になったところで200万で割られてしまうのだから、投票する意味が無いと感じるのは間違いではないです。

 選挙は民主主義ではなく、民主主義をデフォルメして、精度を下げて行うための制度で、民主主義を簡易化して低コストにしている、民主主義としては本来の民主主義よりかなり粗いものにしてしまう制度です。民主主義を本来の姿から民主主義度を下げる、反民主主義的なものなのです。デフォルメの仕方をうまく弄れば、ずるがしこい人たちの思惑通りにできそうな感じです。

 どおりでいつも選挙の結果がなんかおかしいわけですね。選挙は民主主義ではないんです。そうは言っても民主主義を実現するためには仕方がない、民主主義を実現するための制度なのだから、民主主義なのではないのか、と言う人もいると思います。しかし、本来の民主主義から考えればかなり精度を下げた、ともすれば歪みがちな民主主義もどきを作ってしまっているのが選挙である、と言うことはやはり残念ながら間違いなく言えるのではないでしょうか。

 

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