インボイス制度によって実際に何が行われるのかを政府が国民にストレートに示さないため、混乱が起きている。
インボイス制度の本質は、消費税免税事業者から購入した分を消費税が納税されているとみなして仕入税額控除を認めていたのを認めなくなった、つまり、免税事業者から仕入れている課税事業者への増税なのである。免税事業者への増税ではなく、免税事業者から仕入れている課税事業者への増税なのである。
あくまで免税事業者から仕入れている課税事業者に対する増税であり、免税事業者への増税ではないと明示して、免税事業者に対して値下げするように言うことは許されないとすれば、免税事業者に対する理不尽な行いはかなり抑制できたはずである。
増税をただの制度変更のようにごまかしているのは政府の信頼を失う行為である。
何度も言うが、免税事業者からの仕入の仕入税額控除で恩恵を受けていたのは、免税事業者ではなく、免税事業者から仕入れていた課税事業者である。ただし、これが免税事業者からの仕入を促す、免税事業者への補助制度となっていたのも事実である。しかし、補助がなくなったからと言って補助分値下げしろと言うのは普通通らない。
実態は増税と言うのが一番問題であるが、そもそも制度として非常に問題であることも言っておきたい。
証明と言うものは何らかの証拠を示せば成立するはずである。それは商取引にも言えるはずである。インボイス番号がなくても取引があったことは証明できる。にも拘わらず、仕入税額控除できない、とは法律上言えないはずなのではないだろうか。逆にインボイス番号のない請求書を出したら、消費税を払わなくても良いと言うことではないだろうか。なぜなら消費税的には売上とは認められないわけなのだから。