安倍元首相の事件について

投稿者: | 2022年7月9日

 残念ながら、首相と言う立場は国家権力の集中点で、逆恨みも、全然関係ない恨みも、正当な恨みも集中すると言う非常に責任のある立場です。

 退任しても、首相をやっていたときの記憶が皆からすぐに完全に消えるわけではないですから、現役当時あった襲われる危険性は、退任してからの期間の短さに比例して残っているわけです。

 それゆえ、過去の歴代の首相も行動の制約を受けざるを得ず、それは仕方ないと言うことではなかったかと思います。歴代の元首相はそれなりに行動を慎重にし、周りも元首相を活発に動かすと言うことは控えたのではないかと思います。

 しかし、最近の自民党は党活動に元首相を活用し過ぎていたのではないでしょうか。党首と言うのも狙われやすい立場ですが、元首相は単なる元党首とはわけが違うと言うこと、それゆえ党の活動への利用は非首相の場合よりも強く制限されること、そういう自覚が不足していたのではないでしょうか。

 国民全体の首相となったものは退任後も公的な性格を持って、悪く言えば「大人しくしていなければならない」と言われることもあり、それに対して元首相も自由に活動したいと言う反発心があったようにも思えますが、実際は、そういう公的性格うんぬんと言う理由よりも、現実として否応なく厳しく降りかかってくる脅威から元首相を守るためにはそういう措置を取らざるを得ないと言うものだった、と言うことなのではないでしょうか。

 なお、誤解を招かぬよう補足しておきますが、殺人事件は殺人犯が悪いです。殺人事件をどう回避するかと言う話です。

 

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