「年収の壁」論の間違い

投稿者: | 2024年11月16日

 国民民主党が増えたのは、あまりに自民党が問題を起こすものだから、自民党支持層の一部が自民党以外でほぼ自民党みたいなものに一時的に支持を移動した結果である。

 正直、国民民主党が良いものには思えないが、それでも自民党よりはマシなのだろう。少しでもマシな方に進めて行くならば、国民民主党と立憲民主党が2大政党になって自民党が消えれば良いのではないかと思う。

 たぶん、その国民民主党が言っていたと思われるのが「年収の壁」だが、さも「年収の壁」が働く人の障壁になっていて無くせば当事者にとって利益になるかのようなイメージになっているようで、そこは大きな間違いと言わざるを得ない。

 「壁」は短い時間しか働いていないのならば、働いていないのと一緒、とみなされる「壁」であり、「壁」を越えると普通に働いている人となって課税されてしまうと言う、課税から守ってくれる「壁」なのだから、「壁」を無くすと言うことは、基本的には、課税されるようにする、と言うことを言っていることになる。

 だから、もし多くの勘違いしている人の希望を正しく言うならば、「壁」と言うよりは「天井」を上げてくれと言うべきである。なのにことさら「壁」呼ばわりして、無くすことを強調するならば、完全に悪意を持ったミスリードなのだろう。

 「壁」問題の本質は、「壁」を超えると収入の増に見合わない支出となってしまい、それ以上働くことを避けてしまうことであり、これは制度設計が根本的に間違っていたと言うことだろう。これを解決するには、少なくとも「壁を取り除く」と言うような単純な話ではない。控除枠を広げてもそれは「天井」が上がるだけで「壁」はなくならない。単純に「壁」を無くせば、当事者に取っては不利益となる。

 当事者に取っての改悪になるにも関わらず、本質を示さずに、さも改善されるような話にしてしまっているのは問題である。いずれ明らかになって来るのだろうが。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です